「十年樹木 百年樹人」と言われます。「1年で実りを得るならば穀物を育て、10年で実りを得るならば樹を植える、100年で実りを得るならば良き人材を育成する」の意です。教育こそ、国家100年の計であるべしという強い意志と明日への希望が込められた言葉です。
2020年東京五輪・パラリンピックを間近に控え、我が国のスポーツの競技力向上及び普及・振興への取り組みは、ますます充実・強化されており、社会の期待も大きくなっています。スポーツは、それをする人、見る人、聞く人、支える人、伝える人、立場はそれぞれ違っても、長く愛され、その価値の大切さを継承・拡大していこうとの願いは一つです。スポーツが、人間教育に大いに寄与し、社会を明るく楽しくさせる存在であることは、誰しも認めるところです。
一方、昨今、スポーツ界には様々な社会的事件や不祥事、違法行為、コンプライアンス事案が頻発していることも確かです。スポーツが普及・発展し多様な形の支援・協力関係が生まれるほど、そうした事案は増大するリスクが高まっています。
「予防に勝る治療はない」の言葉通り、スポーツの価値を守り、スポーツをさらに普及・発展させ、スポーツを通して健康で活力ある社会を形成するために、教育という手段により、スポーツ界のコンプライアンスの強化・充実を図り、スポーツ界の負の側面を予防・低減しようというのが本機構の目標なのです。違法行為や不正な事例を取り締まるという形ではなく、そうした事態が起きないように、社会全体の支援・協力により、子どもから高齢者まで、障害のあるなしに関わらず、国際的一流選手から地域のスポーツ愛好者まで、スポーツを大切にし、スポーツが大好きな人々の願いと希望を守るために。
本機構は、発足後わずか1年あまりの、人間で言えばようやく一人歩きができるかという段階の未成熟な組織ですが、本機構の設立趣旨と基本理念をご理解いただいた上で、特段のご支援・ご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。
平成30(2018)年8月
代表理事 武藤 芳照
昭和25(1950)年愛知県大府市生まれ。愛知県立刈谷高校卒業。昭和50(1975)年名古屋大学医学部卒業後、東京厚生年金病院整形外科医長を経て、昭和56(1981)年より東京大学教育学部助教授、平成5(1993)年同教授、平成7(1995)年同大学院教授、平成21(2009)年4月より同研究科長・学部長。平成23(2011)年4月より東京大学理事・副学長・東京大学政策ビジョン研究センター教授。平成25(2013)年4月より日体大総合研究所所長等を経て、平成30(2018)年4月より東京健康リハビリテーション総合研究所所長。
東京大学名誉教授。医学博士。(財)日本体育協会公認スポーツドクター。日本医師会認定健康スポーツ医。ロサンゼルス(1984年)・ソウル(1988年)・バルセロナ(1992年)各オリンピック水泳チームドクターを経て、国際水泳連盟医事委員(1992年~2000年)を務める。(公財)日本水泳連盟評議員。
日本整形外科スポーツ医学会名誉会員。公益財団法人身体教育医学研究所(長野県東御市)名誉所長、公益財団法人「運動器の健康・日本協会」業務執行理事。NPO法人 水と健康スポーツ医学研究所(札幌市)副理事長、日本転倒予防学会理事長、「健康のため水を飲もう」推進委員会(厚生労働省医薬・生活衛生局後援)委員長。島根県雲南市名誉顧問。一般財団法人少林寺拳法連盟顧問。公益財団法人戸部眞紀財団(大阪市)理事。東京都中野区保健福祉審議会会長。日本学生野球協会理事。
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