一般社団法人スポーツ・コンプライアンス教育振興機構

連載コラム

2022.04.12

♯9「『時そば』とコロナ禍支援金」

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大も3年目となり、日常生活、人々の社会、経済活動への影響は、深刻な現状が持続しています。
 病気そのものへの対応は、病床の確保、PCR検査体制の整備、ワクチン接種、治療薬の開発などが着実に広がると共に、さまざまな国や都道府県等の支援金・給付金の支援制度が稼働して、個人、中小企業、料飲店、各種団体の組織が随分と助けられています。
 かくいう当機構も各種教育・研修事業の中止・延期等もあったことから顧問税理士と協議・相談の上、持続化給付金や家賃支援金の申請を行い、それらの恩恵を受け、おかげ様で、何とか2022年度と、何とか各種事業を推進できる体制が持続しています。
 ところが、こうしたコロナ禍支援金の詐欺事件が多発し、スポーツ界にも波及しています。
 国の新型コロナウイルス対策の持続化給付金、計1,100万円を騙し取ったとして、詐欺罪に問われた元大学生(23才)に、懲役3年(求刑懲役5年)の判決が下されました(松江地裁、3月31日)。東京の有名私大の野球部で活動しており、プロ野球の元名監督の孫であったことから、スポーツ界の社会的信頼を大きく傷つける事件となりました。
 落語では、5代目古今亭志ん生らが十八番としていた、「時そば」で、屋台のそばの勘定をごまかそうとして違えて損をするという滑稽話が有名です。この話から釣り銭詐欺のことを「時そば詐欺」と表現することもあるようです。
 間の抜けた江戸の庶民のお金をごまかす話は、笑い話の一つですが、現代社会で起きている給付金詐欺は、災難にかこつけて人を騙して利得を得るという卑劣な行為であり、明らかな犯罪です。野球に限らず競馬の騎手・調教師やモーターボ-トの選手らでも同様の事件が発生し、それぞれ厳しい処分がなされました。
 日本騎手クラブ(武豊会長)、日本モーターボート競走会(潮田政明会長)からは、それを機に当機構に教育・研修の依頼があり、すでに研修会を実施しました。コロナ禍の「禍」を過去の「過」として、禍福は糾える縄の如しの「禍」にすることができればと、希望しています。

 

 

 

 

執筆:武藤芳照

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